24Dec2012 Makuiwa, Yugawara
「大丈夫、登れるよ」
これまで経験したことのない岩を目の前にして、かけられた言葉。
このときかけられた言葉が、表情が、とても印象に残った。
10月末からクライミングを始めて、初めての外岩。
ボルダリングしか経験がないのに初の外岩でロープクライミングに挑戦した。
大きな岩をまえに最初は戸惑ったけれど、 1本、2本登るたびに緊張は解けてきて、 楽しむ余裕さえでてきていた、この日。
今日はこれで最後にしよう、と移動した先の岩。
目の前の垂直に立った大きな岩を前に私は硬直した。
つかむところが全く見えなくて、足をかける場所が何処なのかさえ全く分からない岩だった。
それまで陽気だった私の口数は一気に減って、「どうしたの?」と、何度も声をかけられるくらいだった。
登る順番は経験豊富な順。 3級クラスの2人が1番手、2番手。 5級クラスの彼女が3番手で、私は最後に。
1番目も2番目の人もフォールしながらもやっと登った状態だった。
室内では3級クラスを登っているヒトがフォールしているのを見た私は。
「こんなの登れないよ。」 この岩場に来たときから思っていたことがふと口に出た。
「ムリじゃない!?」 「だって私よりも全然うまい人が何度も落ちてるよ。」 一度出てしまった弱音はポロポロと言葉に出てきて。
不安がる私に、返した彼女の言葉が。
「大丈夫。登れるよ。」
その一言だった。
彼女の目が、顔が。 「登る」という強い意志を映し出している一言だった。
結局このあと、彼女も私も何度もフォールしながらも、時間をかけてこの課題を登りきった。
岩場からの帰り道。
「実は、登れるとは思っていなかったんだ。 でも、登れないって言てしまったら、登れないでしょ。」 と、彼女は笑いながら話していた。
【自分で限界を作ってしまえば、それ以上前に進めなくなる】
当たり前の事。 だけど、 登る前の私には、そんな言葉は消え去っていた。
ボロボロと弱音を吐いた自分の心の弱さに、悲しくなった。
自分自身で限界を作ってはいけない。
クライミングではとっても大切なこと。
「自分に負けない強い心を持とう」 この日に経験した自分への失望感。
忘れてしまわないように。 この言葉を大切に心の中にしまっておこう。
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